March 10, 2008
■小さな町の図書館で
週末、ふと思いついて近所の市立図書館に行ってみた。
小さな町の図書館だからたいして混んじゃいないだろうと、タカをくくっていたのだが、いやいやどうして、老若男女が集ってなかなかの賑わいだった。本を読む人って意外といるんだな、と妙に感心した。
それに案外最近の売れ筋の本などもあったりして、買いきれない本は借りて読むという選択肢があることにも気が付いた。便利。
しかし図書館と言えば、最近は不調の出版業界の人たちの中には「タダ貸しの図書館は本や雑誌を売れなくする諸悪の根源」 のような言い方をする輩もいるようだ。
その出版魂、腐ってるね。
そういう連中は本や雑誌の出版物を、金としか見ていないのだろう。もちろん生活していくためにも、世の中の経済の流れのためにも、物が売れて金が動くことは大事なことである。だが、『本を読む』という文化は、経済とは切り離した場所で独立して培われることも必要なのだ。机に座って夢中で本を読んでいる小さな子供たちを見ていれば、そんなことは簡単に思いつくだろうに。
この日は利用者カードを作ってもらって、一冊本を借りてきたが、館内でも一冊読破してきた。その本は村上春樹の『不思議な図書館』 。図書館を題した本を図書館で読むと言うシチュエーションに、我ながらニヤリとしたりして。
図書館と言う場所はそれ自体が独特の世界だが、どこか知らない世界への入り口でもある。久しぶりに訪れて、なんだかドキドキしたような、リラックスしたような、不思議な気分が味わえた。
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