June 24, 2007
■かっこうの歌声
「たとえば、かっこう、とこう鳴くのと、かっこう、とこう鳴くのとでは、聞いていてもよほど違うでしょう?」
〜宮沢賢治 『セロ弾きのゴーシュ』 より
はい。今日はちょっと文学的にスタートです。
実家の裏の畑のあたりを縄張りにしているカッコウがいる。おそらく同じ一羽が、時折畑の周りの木などに止まっては、「かっこう、かっこう。」と、あの独特のリズムで繰り返すのだ。
いたずらっ子な僕は彼の歌声に合わせて口笛で物まねをする。すると一瞬、かれは戸惑ったようにその歌のリズムを狂わすのだ。
「かっ、こう…、かっこ、うう…」
しかし彼はすぐに自分を取り戻す。いつもの自信に満ちた、リズミカルで張りのある声で、再びかっこう、かっこうと迷いなく歌いだす。
ふふふ。ごめんよ。邪魔したね。
彼が止まっている木の下では、うちのエアが虫を追いかけてぴょんぴょんと飛び跳ねている。
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