December 01, 2007

■ガソリン・ラプソディ

 11月30日の昨夜、車を走らせていると前方に渋滞で止まっている車のテールランプが赤い列をなしていた。一体何?と思ったら、何のことはない、ガソリンスタンドの給油待ちの列だった。今日、12月1日からの値上げの前にたっぷり腹いっぱいにしておこうと言う人が詰め掛けていたのだろう。

 しかしものすごい騒ぎであった。
 そのスタンドは田舎道のY字路の中にある形なので、3方向の道路に押すな押すなとばかりにもっさりと車があふれている。そのおかげでスタンドに用がない車も渋滞しているので周辺はなおさら混雑の度合いが増している。向かいのコンビニの駐車場では、ガスを入れに来てこの状態に圧倒されたのか、中途半端に止めた車の窓から呆然とスタンドの様子を眺めている人もいる。

 私は田舎町に突然出現したこの季節外れのお祭り騒ぎをぜひ写真に収めて起きたいと思った。だが若干の思案の後、それはあきらめざるを得なかった。押し合いへし合いの渋滞の中では車を止める場所が確保できなかったと言う現実的な問題と、何よりあの殺気立った集団に向けてフラッシュでも一発焚こうものなら、まさにガソリンに火を放つように車中の彼らの怒りを燃え上がらせてしまうに違いないと感じたからである。
 私はそそくさとその場を後にした。残念。カメラマン魂、いまだ足りず。

 その後ほんの1kmほど走ると、別のガソリンスタンドが見えてきた。なんと、こちらはガラガラである。いつもの田舎スタンドと変わらぬ風景。
 いったいこの違いは何から生まれたのであろうか。値段は両者変わりない。まさかこの期に及んでティッシュが一箱付くかどうかとか、そんなところで差が出るのであろうか。それとも、単にみんなが集まっているところに俺も、私もと集まってしまう人間の性質なのであろうか。それとも、何か深い商売の秘訣のようなものが隠されているのだろうか…。
 
 ガソリン騒ぎからいろんなことを考えた夜であった。



18:03:47 | woodcat | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks