November 26, 2007

■寿司屋の門をくぐるとき

 私もついに寿司屋デビューを果たした。
 この年になってのデビューであるから、もちろん一皿100円のローリング・ワンダーランド寿司などではない。カウンター越しにお店の大将と一対一で対峙する、真剣勝負の本格的寿司屋である。

 去る連休中に、私は山形の庄内地方、酒田市に足を伸ばした。その折、思い切ってそののれんをくぐったのである。
 とはいえ、いかに地元の本屋で『男の隠れ家』を毎号立ち読みしている私でも、いきなり見ず知らずのお店に飛び込んでマスターとカウンターを挟んでネタに関するうんちくを語り合ったり、こじゃれた大人の会話を楽しめるほどの余裕は、まだない。私が訪れたのは先日職場の先輩に連れて行ってもらって、値段帯などの情報をあらかじめインプットしておいたお店である。

 連休中ということもあってお店はだいぶ忙しい様子であった。入店をあきらめかけたのだが、ここで引いてしまっては大人の階段は上れないと心を奮い立たせ、頼み込んで何とか店に入れてもらってカウンターの席に着いた。
 そんな状況であったため、最初はせっかくの寿司も変な汗をかきながら味もわからず口に放り込んでいたような感じだったのだが、その先輩の紹介であることと、マスターが野球好きで私もずっと野球をしていたことなどから次第に話は弾み、結局ほかのお客さんとも会話をしながら寿司に舌鼓を打つと言う、ほぼ満点のデビュー戦であった。人脈万歳。野球万歳。

 しかし正直のところ、やはり無我夢中で寿司の味もあまり覚えていないと言うのが本音である。あの寿司屋と言う空間を真髄まで楽しむ酔狂の味を知るには、私もまだまだこれからというところだろう。




23:03:58 | woodcat | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks